ひとにやさしく

人間は形のないものが苦手だ。
ないものにはどうにかしてに形をあたえ、理解しようとする。
それは他人に対しても同じで、理解できない行動や言動にレッテルを貼ることにより形づけ、納得し自分が理解できる範疇に入れたことでひとまずの解決をえる。

僕はもともとは結構な批評家だった。行動を分析して評価し断定する。そんな性分が嫌で年齢を重ねてからは人間関係に至っては努めて評価をしないようにしている。当然仕事ぶりで受ける「評価」とは別問題。

とはいえ評価を下し理解可能な枠組みに入れることでその人に対するストレスは減る。


しかし、その人の行動や言動がいくら自分からみて非常識に見えても、その人を形作ったもの(生まれ育ったバックグラウンド)を理解できたら案外常識的なのかもしれない。
以前読んだ内田樹の構造主義の本にそんなような考え方のことが書かれていたと思う。 考えや行動は自分が所属している社会の影響をうける。潜在意識にそういうみえない影響(構造)をもっているので、客観的に思える自分の判断すら所属する社会の影響を受けた主観的なものでしかない、とかそんな内容だったような。


つまり他人を評価する判断材料(自分の客観的常識)すら怪しいもんだってこと。

アマゾンの創設者ジェフ・ベゾスが、頭の良さを他人に示すより優しさを示すほうが難しい、頭の良さは生まれつき天から与えられたものだが、優しさは自らが選択するものだからだって言っていたが、他人を分析して判断を下すよりも理解をして許容する努力をしろってことなのかもしれない。

今日も最後までブログを読んでくれてどうもありがとう。


HIROYUKI IGUCHI

バレエ振付家・教師 井口裕之のホームページ クラシックバレエ・コンテンポラリーダンスのクラスや振付作品の紹介をしています。

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